セトゥーバル(Setúbal)といえば漁夫の町と思われがち。でもポルトガルのマヌエル様式美術の初期作品もある。
ポルトガル大航海時代、町は港であったことから、わずかな期間でめざましい発展を遂げました。セトゥーバルの歴史的な地区には、この時代がもたらした豊かさが反映されています。
ジェズス修道院と教会(Convento e Igreja de Jesus)は、現存するなかでは最も初期のマヌエル様式例です。これはマヌエル1世(D. Manuel I)の乳母のために建てられたもので、王は成長すると、父王よりこの建設を引き継ぎました。仕上げは巨匠ボイタック(Boytac)が手がけることになり、伝説では、彼は夢の中でこの設計と意匠の想を得たと言われています。
修道院の意匠は、建設された当時としては大変進んだものでした。主礼拝堂の複雑な丸天井には植物モチーフの装飾が施され、統一された本陣は、のちにジェロニモス修道院(Mosteiro dos Jerónimos)の教会の間(igreja-salão)のモデルとなりました。
かつての修道院の中には、セトゥーバル美術館(Museu de Setúbal)があり、国王のお抱え画家だったジョルジェ・アフォンソ(Jorge Afonso)のコレクションが収められています。その作品には、マヌエル様式の建築と同じ革新性が見られます。
さらにマヌエル様式の例を見てみたい方は、トラヴェッサ・デ・サン・ジョゼ(Travessa de São José)の家々や、マヌエル1世によって拡張されたサン・ジュリアン教会(Igreja de São Julião)を訪ねてみるとよいでしょう。