古代ローマ人が「シーザーのパックス・ユリア(Pax Julia de César)」と名づけたこの町には、今もなおひときわ平穏な雰囲気が漂っている。ベージャ(Beja)の町は、周囲を取り囲むアレンテージョ(Alentejo)の平原の上方に高くそびえている。石と石灰で造られ、城壁に守られ、そして城の塔によって防御されたこの町は、古代ローマの要塞化の跡を基盤にして14世紀に再建された。
まず高さ40メートルの塔の200段のらせん階段を上ってみましょう。これには少々労力が伴いますが、塔の上からは町の美しさとはるか彼方へと広がるアレンテージョの広大さが楽しめるため、骨を折るだけの価値は十分にあります。
それから歴史地区に赴き、狭い通りを歩きながらそのすばらしさにどっぷりと浸ってください。ここには特徴的なバロック様式のカテドラル(Sé)やサンタ・マリア教区教会(Igreja Matriz de Santa Maria)、サント・アマロ教会(Igreja de Santo Amaro)内の西ゴート博物館、コンセイサン修道院(Convento da Conceição)内のレオノーラ王妃博物館(Museu Rainha Dona Leonor)といった、是非とも訪れてみるべきすばらしい名所がいくつもあります。
レオノーラ王妃博物館では、考古学的遺産、アズレージョ、および宗教美術のすばらしいコレクションが、皆さんの訪問をお待ちしています。またこの修道院の見事な建築様式をうっとりと眺めていると、“Cartas Portuguesas”(邦題:「ぽるとがる恋文」(東洋出版))の著者である恋に破れたマリアナ・デ・アルコフォラード修道女(Soror Mariana de Alcoforado)が経験したような、ロマンチックな不滅の愛のムードに包まれるに違いありません。
この“Cartas Portuguesas”は、白壁の建物に囲まれたベージャの穏やかな環境の中で読むのにうってつけの本であり、たとえばペロウリーニョとルネッサンス様式のミゼルコルディア教会(Igreja da Misericórdia)が大きな特徴となっていて、またその一画にはマヌエル様式の建物が美しく立ち並ぶレプブリカ広場(Praça da República)などは、この本を読むのにまさに申し分のない環境と言えるでしょう。
そしてその後には、アレンテージョのレストランでおいしい食事に舌鼓を打ってみてはいかがでしょうか。食後のデザートには、有名な修道院のお菓子のほのかで神秘的な風味を是非お試しください。