美術館と宮殿

はるか極東の港にたどりついた最初の国、ポルトガル。そのポルトガルとアジアとの歴史的なつながりの証にふさわしく、オリエント博物館（Museu do Oriente）はアルカンタラ河岸（Doca de Alcântara）に位置し、博物館のある40年代の建物のかたわらをテージョ川が流れるという、すばらしい環境にあります。

当博物館は、二つの常設展を大きな柱としています。1階の展示は「アジアにおけるポルトガルの存在」と題し、オリエント財団が長年にわたり収集した美術品、資料類から構成されています。非常に価値の高い収蔵品のなかでも、特筆すべきは17、18世紀の中国・日本の屏風、南蛮美術、インド会社の刻印入り陶磁器コレクション、チモール原住民の文化に関する品々です。

2階の展示「アジアの神々」は、クォク・オン・コレクションを基に計画されたもの。1万3千点以上の品々からなるこのコレクションは、ヨーロッパのこの種のものでは最も重要なひとつとされています。展示室には、操り人形、仮面、絵画、祭具、ランプ、竜、遊具、像など、アジアの芸能美術、民間伝説・信仰の証たる品々が並んでいます。

また館内には、特別展示のためのスペースや、音楽、ダンス、演劇、映画、人形劇など、さまざまな文化イベントのための多目的スペースも備わっています。